事の発端は私がSY1698さんの日記に書いたコメント。
中国の「抵制日貨」(=日本製品排斥)に対して、「天津地下鉄ではかつて東急車輌の電車が使われており、現有車両でもインバータが三菱製だったりするので、抵制日貨は不可能。」と書きました。
しかし、輸出関係の資料によると、1980年代に日本から中国に輸出された電車は北京地下鉄の3両だけであり、天津向けは皆無だったらしいです。
私が東急車輌製造だと知ったのは日本語版Wikipediaの「天津地下鉄」の項目。
ただ、日本語版Wikipediaと一部の掲示板にしかこの情報は載っておらず、中国語版Wikipediaには記述なし。
天津地下鉄の既有線*1が廃止された時の北方網にも既有線の電車に関して製造元の記載がありませんでした。(引進的日本客車とは書いてある)
SY1698さんも頑張って調べたみたいですが、進展はなし。
私が蒔いた種なのに私が何も調べないのは悪いので、ダメ元で大学図書館で昼休みに調査。
すると2000年発行の「世界の地下鉄」という本に気になる記述を発見しました。
それが「予定車両数が全部納入されるまで、試験的に限定運行を別会社が行っている。」というもの。
その本に記載されている天津地下鉄の保有車両数は24両。1編成が3両だったみたいなので、8編成在籍した事になります。
全長が7.4kmで運行は12分間隔だったようなので、8編成で納入完了したのでしょう。
という事は24両は試験車両でなく、24両の前に導入されたものが試験車両という事になります。
これが東急車輌から天津地下鉄とは別の運営会社に仕入れられたのでしょうか。
別の運営会社が北京地下鉄でなければ、この件は迷宮入りも同然なんですが…。
※その後
調べて下さった皆さんのおかげで
北京地鉄に走っていた東急1000系は東急車輛から完成品を輸入。天津地鉄に走っていた東急1000系は東急車輛から部品を輸入して長春客車で組み立てたものだったと解決できました。