Diary of a rail fan in Kansai,Japan(Ver.2)

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昨夜のニュースによると

竹山修身氏(堺市長)のLRT事業費減額案が堺市議会で否決されたようで、皮肉にもイメージ映像には一昨日に新路線が開通した富山市LRT*1が使われていました。


LRT事業費に関してはとやかく言える程の事情を知りませんが、「LRTは堺東〜堺浜ではなく堺〜堺浜にして、四つ橋線を堺浜に延伸させる」という竹山氏の計画はどうかと思いますね。
以下、私勝手な意見を展開していきます。
そもそも1日を通して需要が見込めそうな区間が堺東〜堺であって、堺〜堺浜はその付け足しのようなもの。それで堺東〜堺を断念するのは本末転倒でしょう。


しかも堺浜は工場地帯です。
知っている人なら解ると思いますが、工場地帯を走る路線は利用客が極端に朝夕に偏っていて、昼間の需要はほぼゼロです。


例えば、JR和田岬線名鉄築港線、JR鶴見支線などを見ればそれは明らかです。


LRTというのは1日を通して頻繁運行するのが前提の交通機関なので、まさか朝夕しか需要がない堺〜堺浜だけにLRTは投入出来ないでしょう。
ましてやLRTより輸送力が大きく、費用も高い地下鉄四つ橋線の延伸は全く採算に合わないと思います。
確かに神戸市営地下鉄は工場地帯の和田岬を通っていますが、あれは沿線のごく一部だから、昼間でも通過需要が発生するのであり、沿線の殆どを工場地帯が占める兵庫〜和田岬では昼間に電車を運転しても採算が取れず、現に和田岬線は朝夕のみの運行になっています。


同様に堺〜堺浜も工場地帯が多いので、LRTの運行は朝夕のみ。朝夕のみ需要がある区間にわざわざ鉄道を建設すべきかどうか非常に疑問です。


また本来の目的は堺市の東西を結ぶ交通機関の整備であるはずですが、四つ橋線の延伸は実質的に南北を結ぶ交通機関の整備であって、
南海本線阪堺線、南海高野線JR阪和線、地下鉄御堂筋線の5路線が堺市大阪市を結び、かつ堺市の南北を通っている現状での四つ橋線延伸は輸送過剰です。


仮に堺市大阪市の移動需要が増えたとしても、南海本線の増発で対応可能でしょう。現行では持て余している感がある住之江〜岸里玉出(の手前)の複々線を活用すれば増発は容易に出来るはずですし。
その他、四つ橋線には「梅田に直通で行ける」というメリットもありますが、なにわ筋線が開通すれば南海本線の電車も北梅田に乗り入れるようになるのでそのメリットも大したものではなくなるでしょう。


結局、工場地帯のみを走る路線は貨物専用線か朝夕のみ運行の旅客路線しか生き残れないのが最近の流れですから、LRTと地下鉄延伸は難しいと思います。

*1:但し、一昨日開通したのはLRTではなく、あくまでも定義上は路面電車に相当する。