Diary of a rail fan in Kansai,Japan(Ver.2)

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近鉄けいはんな線、木津延伸(妄想鉄道)

歴史

1982年に国土庁(現在の国土交通省)が発表した「関西学術研究都市基本構想」で、生駒 - 高の原間と同区間から分岐して精華・西木津方面へ向かう路線が示され、1989年の運輸政策審議会答申第10号では、生駒 - 高の原間が2005年までに整備すべき路線、同区間から分岐して祝園付近(2004年の近畿地方交通審議会答申第8号では新祝園)までと高の原 - 木津方面までが整備を検討すべき路線として盛り込まれた。
2006年3月27日に学研奈良登美ヶ丘まで開通したが、以東の延伸は見送られた。京阪奈学研都市も「私のしごと館」が閉館するなど衰退の一途を辿っており、延伸は絶望的かと思われた。


しかし、リニア新幹線が高の原を経由する事が決定するとアクセス鉄道の必要性が論じられるようになった。ただでさえ過密ダイヤの近鉄京都線単独で京都、大阪方面のアクセス鉄道として機能する事は限界を超えている事から別の新線を建設する事となる。そこでA案〜E案が提起された。
A案:学研奈良登美ヶ丘〜高の原〜木津にLRTを建設
B案:近鉄けいはんな線の木津延伸
C案:近鉄京都線複々線
D案:JR関西線の高の原分岐支線の建設
E案:けいはんな学研都市を周回するモノレールを建設


A案、E案に関しては、学研都市自体がロードサイド戦略の下で建設された低密度団地であることから採算性に疑問を持たれて却下された。
C案は建設費が膨大であり、宇治川以北は用地買収が困難である事から廃案となった。
残るB案とD案であるが、京都、大阪双方への連絡を確保する必要から折衷案が採られた。
具体的には運転系統を高の原で分離するというものである。
つまり、学研奈良登美ヶ丘〜高の原は奈良生駒高速鉄道が建設・保有し、近鉄が運営。高の原〜木津はJR西日本が新たに設立する京阪奈リニアアクセス鉄道が建設・保有し、JR西日本が運営を行う方式となった。
リニア経由地決定前は新祝園駅も延伸予定地となっていたが、リニア経由地が決定すると誘致のトーンが下がっていき、計画は立ち消えとなった。


リニア開通前に全区間が開業。当初は利用者数が推計を大きく下回ったものの、リニア開通後は堅調に推移している。

概要

けいはんな線
学研奈良登美ヶ丘〜高の原
距離:3.5km
軌間:1435mm
電化方式:第三軌条
複線区間:全線
愛称名:近鉄けいはんな線
第二種鉄道事業者近畿日本鉄道
第三種鉄道事業者奈良生駒高速鉄道


・高の原〜木津
距離:3.6km
軌間:1067mm
電化方式:架空電車線方式
複線区間:全線
愛称名:JRけいはんな線
第二種鉄道事業者西日本旅客鉄道
第三種鉄道事業者京阪奈リニアアクセス鉄道

沿線風景

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奈良学研登美ヶ丘は1面2線である。ここから東に向かって直進する。駅ホームは奈良市に属するが、駅を出ると生駒市に入り、トンネルに入る直前にまた奈良市に入る。開通前はトンネル入り口付近に住宅地へと続く歩道が存在したが、建設の過程で撤去された。トンネル内で京都府木津川市に入る。トンネルは桜が丘の下を通っており駅設置も検討されたが、高の原周辺でバス事業を展開する奈良交通の猛反対で設置は見送られた。トンネルが続き、関西文化学術研究都市事業本部の下あたりになると高の原駅である。イオン高の原の北端にあたる場所にあり、近鉄との乗り換えが不便であるが、リニアの建設地を避けるためにこのような立地となった。尚、イオン高の原ともリニア駅とも地下通路で繋がっており、近鉄以外とのアクセスはさほど問題がない。ただし、高の原バス停からは遠く、「相楽台西バス停」の方が近接している。
高の原駅は地下の2面4線で、北側1面2線は近鉄線用、南側1面2線はJR線用であり、改札も分離されている。ホーム有効長は近鉄用が6両、JR用が7両となっている。日中はJR用には4両編成の電車しか乗り入れないが、朝晩は学研都市線から321系が乗り入れるので7両対応となっている。
近鉄線用の線路はここで行き止まりなので、ここからはJR線用ホームから説明する。高の原を出ると近鉄京都線と直交するがこちらは地下なので見えない。進路をやや北に変えながら相楽台の下を通過し、京奈和自動車道を越えると上り勾配となり、地上に出て高架となる。国道163号線上を高架で進む。途中で市立体育館の脇を通過するが定期利用が殆ど見込めないので駅設置の話は起こらなかった。大谷交差点で左に急カーブし、京都方面の線路は関西線の西側から、高の原方面の線路は関西線の東側から合流する。これは対向列車との平面交差を避けるためである。(高の原に向かう学研都市線の列車は対向列車と平面交差しないように学研都市線京橋方に3、4番乗り場への渡り線が設置された)そのまま木津駅に進入する。特に高の原方面のホームは新たに設置されず、従来の関西線及び奈良線ホームを供用する事となった。

運転形態

奈良学研登美ヶ丘〜高の原に関しては従来の近鉄けいはんな線(生駒〜奈良学研登美ヶ丘)のダイヤを踏襲している。
そのため定期運用での奈良学研登美ヶ丘行きは消滅したが、方向幕には残されている。
方向幕が残されているのには理由がある。例えば、近鉄京都線が不通になった場合は高の原〜生駒で本路線が振替路線となるため、登美ヶ丘車庫から臨時列車が出される。この際、振替運転が終われば登美ヶ丘車庫に戻る事となるが、生駒方から来た電車は高の原行きになった後、高の原発 学研奈良登美ヶ丘行きとして運転されるからである。


高の原〜木津に関しては主にJR奈良線の列車が乗り入れる。
・朝ラッシュ時:京都方面は奈良発着列車が優先されるため、京都行きは約30分毎の普通列車のみである。一方、学研都市線直通列車に関しては約20分毎に京橋方面の区間快速ないし快速が運転される。以前、奈良を始発駅としていた朝2本の学研都市線直通列車は高の原始発に変更された。
・昼間時:京都から快速列車が毎時2本、普通列車が毎時2本直通する。前者は「リレー快速」として新設されたが、後者は奈良線全線複線化前(2018年以前)に存在した城陽止まりの列車を高の原まで延長したものである。
全線複線化前は暫定措置として学研都市線の快速列車が高の原まで乗り入れていたが、複線化で城陽止まりの普通列車が高の原まで延長運転されると日中の学研都市線の高の原乗り入れは中止となった。ちなみに開業当初は奈良線の全線複線化まで「リレー快速」も運転されていなかったがリニア開通前だったのでそれほど問題にはならなかった。
・夕ラッシュ時:奈良線直通に関しては朝ラッシュ時と同じ。学研都市線に関しては約30分毎となる。以前、夜間に学研都市線から奈良駅に乗り入れていた2本の列車は高の原行きとなった。

駅一覧

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学研奈良登美ヶ丘〜高の原で奈良県生駒市を通るが生駒市内に駅は存在しない。
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将来・所見

奈良線の全線複線化及び本路線の開業により、木津駅が活性化され、駅周辺の開発計画も進行している。
しかし、このままではいずれ木津駅がパンク状態となる。
奈良線も追い越し可能駅が宇治と桃山(上り線のみ)しか存在せず、これ以上の増発は快速列車の所要時間に響く。
高の原〜木津の本数を増やすためには加茂直通の列車を設定するしかない。木津駅の東方に1面2線を新たに設置して、加茂発着の気動車を高の原まで乗り入れるべきである。
そのためには加茂〜木津を複線化しないといけない。これは関西線の電化とセットで行うべきだろう。