なにわ筋線関連の報道で、「大阪中心部〜関空が30分」と宣伝されています。
これを微妙に履き違えて「大阪中心部〜関空が30分」と謡っているサイトがたまにありますが、「大阪中心部〜関空が30分」はまず不可能です。
まず
最速の関空特急「はるか」は天王寺〜関西空港を現行では30分で結び(例:はるか43号など)
最も遅い関空特急「はるか」は関西空港〜天王寺で現行では49分を要しています(例:はるか4号)
※2009年8月時点での平日ダイヤ基準
大阪中心部とは具体的にどこか分かりかねますが、仮にそれがJR難波だとして
天王寺〜JR難波はノンストップでも4分は掛かるでしょう*1から大阪中心部〜関空は最速でも34分になります。
よって、阪和線や関西線内で何かしらを弄らない限りは「大阪中心部〜関空が30分」は不可能で、なにわ筋線の有無は関係ありません。
ところで、なにわ筋線が開通する事によって大阪中心部〜関空が30分になるという文脈で報道されてますから、なにわ筋線が無くてもJR難波〜関西空港の列車が運行可能な現状では「大阪中心部」とはJR難波以北を暗に指していることになります。
JR難波の隣に堀江駅(仮称)が出来る予定ですので、それを大阪中心部と仮定して関空特急がその堀江駅に停まるとすると、関空〜堀江は35、36分です。
堀江に特急を停めたり、最速で計算したりとやや難な仮定で30分台は何とか可能だと分かりましたが、なにわ筋線建設の目的は時間短縮というよりも、大阪環状線の西半分の過密ダイヤ解消の方が大きいのでは、と感じます。
天王寺〜新今宮〜西九条は途中に追越駅が無いのに昼間時でも
普通 6本/h
大和路快速 3本/h
関空/紀州路快速 3本/h
関空特急 2本/h
南紀特急 1本/h
の計15本が1時間あたりに走っており、夕ラッシュ時は普通から特急まで1時間当たり計18本が走っているからです。
これだと「大阪環状線に待避駅を増やす」という代案が出てもいいような気がしますが・・・。
ちなみに南海の方はラピートαが関西空港〜難波を36分で結んでいます。
*1:現行ダイヤではそのうような設定は無いので推測。